私が受講していたオンライン子育て講座『幸せ子育てメソッド』の先生から、受講生のグループLINEに一つの動画が送られてきました。
それは、今回の本書の作者である片岡直樹さんが登場する動画で、「テレビが新しいタイプの言葉遅れの子をつくる」という動画でした。
我が家の長男はここ最近、遊ぶことがなくなって暇になると、すぐに「テレビ(DVD)見たい!」と言ってくるようになってしまいました。
そもそもテレビを長時間見せることに抵抗がある私たち夫婦は、「テレビ依存傾向にあるのかな」と心配していました。
長男は、発語し始めたのが1歳10ヶ月になったころ。1歳で2~3語と言われていますので、一般的な子と比べると発語が遅い子でした。
今でこそおしゃべり男子に成長しましたが(笑)、「幼い頃のテレビ視聴が発語の遅れに繋がった原因の一つなのでは?」と、動画を見ながら私たち夫婦は考えました。
「長男の依存傾向を直したい!」と思うと同時に、発語が増えてきている時期である次男への影響も考え、読んでみることにしました。
また今回は、読んでみた上で我が家で実践したことと、その成果もお伝えしたいと思います。
テレビを見せ過ぎているかも?と思っている
子どもの表情が少ない、笑わない、泣かないなどの悩みをもつ
なぜテレビをを見せることが悪いことなのか、知りたい
正しい赤ちゃんの育て方が知りたい
そんな親御さん達におすすめの一冊です。
▽この記事を書いた人▽
ふるりん
1歳と3歳の男の子の育児に奮闘する30代のママ。元教員で、5年間公立小学校に勤務。妊娠を機に退職。専業主婦として働いている。小さい頃から読書が趣味。現在は育児書を中心に、様々なジャンルの本に親しむ。金融教育、性教育、防犯教育、キャリア教育、食育など、子ども向けの教育全般に興味がある。アドラー心理学、モンテッソーリ教育に基づいた子育てを、ゆる~く行っている。
テレビを消したら赤ちゃんがしゃべった!笑った!とは
「テレビを消したら赤ちゃんがしゃべった!笑った!」は2009年の7月に発売された書籍です。
概要
赤ちゃん(3歳まで)のときの育ち方が一生を決める!?表情が少ない、笑わない、泣かない、声を出さない、呼んでも振り向かない、目線が合わない、これらの特徴をもつ「新しいタイプの言葉遅れ」の子が増えています。赤ちゃんと心を通わすための心得とは?新しいタイプの言葉遅れの治し方とは。
出典:Amazon
2009年に発行された書籍なので、「少し古いかな?参考程度に読むことになるのかな?」と思いながら読み始めました。
ですが、今の子育てにも通ずること満載の一冊でした。
『テレビを消したら赤ちゃんがしゃべった!笑った!』の書評
この本を読んで考えたことを書いていきます。
子どもがCMを好きな理由
小さい子ってCM好きですよね。
うちの子たちも、番組を見ている時はそれほどでもなかったのに、CMが流れるとピタッと動きを止め、ジィ~ッと画面を見つめていることが多かったです。
それはCMに興味があるのではなく、定位反射(定位反応)と考えられるそうです。
定位反射(定位反応)とは、刺激に対して頭や目を向けようとする反応のことです。
CMは約15秒間の間に必要な情報を詰め込むので、絶えず画面が切り替わります。
その変化に対して定位反射(定位反応)が働いているのです。
ジィ~ッと画面を見つめているとあたかも集中力があるように思いますが、まったくの見当違いなのですね。
モンテッソーリ教育に近い考え方
実体験である必要がある
モンテッソーリ教育では、赤ちゃんにも”本物”を積極的に見せてあげようといわれています。
例えば、コップ。
落として割れないようにプラスチックのコップを与えるのではなく、本物のガラスのコップを与える。
子どもは本物がわかるし、本物が大好き!
本物を与えられることで一人の人として尊重してもらえていることがわかり、自分を大切にすることにも繋がります。
この本でもコミュニケーション能力が育つには実体験が大切なのだと書かれています。
この実体験・本物に触れさせるという点において、モンテッソーリ教育と通ずる部分があるのだと考えました。
愛情をもって見守る
モンテッソーリ教育では、子ども自身がお仕事を選び、そのお仕事をしている様子をそばで見守り、子どもが困っている時に最低限の援助をしてあげるという考え方です。
この本でも、親のかかわり過ぎが子どもの自主性を阻害してしまうことに警鐘をならしています。
また、困っているときにすぐに気付いて手を差し伸べてくれるということがわかっていれば、静かにその空間を共有しているだけで幸せを感じるもの、としています。まさにモンテッソーリ教育と同じ考え方ですね。
大事な考え方は、垣根を越えて共通するものなのですね。
知らなかったでは遅い
『子育ては、知らなかったでは遅い』
これは私が教員として積んできた経験と、様々な育児書を読んできて、共通して感じたことです。
ある一定の時期にしか育たない能力が、確かにある。
例えば、コミュニケーション能力。
大人になったら周りの人と円滑にコミュニケーションが取れる子になってほしい。
そう思う親御さんが多いはず。
しかし、脳にコミュニケーション能力の土台がプログラムされるのが3歳までだそうです。
『三つ子の魂百まで』とは、まさにその通りですね。
色んな親御さんを見てきましたが、『大きくなれば勝手にできるようになる』と考えている人がほとんどのように思います。
確かに、特別な理由がない限り、トイレでの排せつや読み書きや計算などはできるようになります。
しかし、目に見えない能力は、果たして大きくなってからできるようになるのでしょうか。
『コミュニケーション能力はいつどのように身につくのだろう?』そう疑問に思ったことはありませんか?
この本には、赤ちゃんがどのようにコミュニケーション能力を獲得していくのかを月齢別に詳しく書いてあるので、読んでいてとても勉強になります。
「もっと早く読んでいれば、できたことはあったはず。」そんな風に思いました。
だから、『子育ては知らなかったでは遅い』のです。
子どもに抱っこをせがまれたら
子どもって、忙しい時に限って抱っこをせがんできますよね。
みなさんはそんな時、どういう対応をしていますか?
例えば、料理をしている時だったらどうでしょうか。
「今お料理しているから、またあとでね~」とあしらいますか?
それともすぐに手を止めて抱っこしてあげますか?
私は、前でこそ前者のように「待っててね」と声をかけていましたが(でも結局根負けして最終的には抱っこしてしまうんですけどね 笑)、今はせがまれたら、すぐに抱っこするようにしています。
「でも、そんなこといちいちしていたら何も進まないじゃない」と思われる親御さんが多いと思いますが、これが意外にも、すぐ抱っこしてあげると、短時間で離れてくれます。
なぜなら、子どもは抱っこしてもらうことにより愛情を確認したいだけだからです。
そうやって親御さんとやりとりしていく中でコミュニケーション能力が培われていくわけです。
すぐに抱っこすれば短時間で離れてくれて、愛情もしっかり伝えられ、コミュニケーション能力が育つ。とても良い方法ですよね。
それに、抱っこをせがんでくる時期なんてあっという間に過ぎ去ってしまうことを考えたら、愛情たっぷりに抱っこしてあげたくなりませんか?
子どもに抱っこをせがまれたら、ぜひすぐに抱っこをしてあげてください。大丈夫、抱き癖なんてつきません。
きっと後で振り返った時に、良い思い出になるはずですよ。
我が家の実体験
執筆時(2023年8月現在)、子ども二人の月齢は、長男3歳8ヶ月、次男1歳10ヶ月です。
最初に本を読んだのが2023年5月頃なので、今に至るまで約3ヶ月の月日が経ちました。
その間、テレビを見せることをやめるという選択をした我が家。
どんな変化が訪れたのでしょうか。まとめてみました。
前提
まず、我が家ではどのくらいテレビなどを見せていたかをまとめました。
・毎日朝・昼・夕方の3回、毎回約30分間DVD
・朝・夕方の歯磨きの後に5分間タブレットでYouTubekids
一日の視聴時間を合計→約1時間40分程度
次に、テレビ視聴させていた間の状況をまとめました。
・料理に洗濯などの家事をダァ~っと急いで終わらせる。
・自分のペースで家事を進められるので、ある種休憩時間とさえ捉えていた。
・兄弟喧嘩が激しい時期でもあったので、喧嘩が起きないという点においても非常に助かっていた。
このありがた~い時間を無くすわけです。大丈夫かな、イライラしないかなと正直不安ではありました。
親子のコミュニケーションの時間が増えた
おもちゃで遊んだり、鬼ごっこをしたり、ごっこ遊びをしたり…
テレビを観ない分、時間があるので必然的に親子のコミュニケーションの時間が増えました。
また、書評3冊目で書いた『お母さんの敏感期』の本の中で、日常生活の中に学びは転がっているとあったことを思い出し、料理や洗濯のお手伝いを積極的に取り入れました。
取り組んでもらったお手伝いは主に以下の通りです↓
・洗濯用角ハンガーに靴下を干す
・洋服の袖をハンガーに通す
・乾いた洗濯物を畳む
・卵を割る
・材料をかき混ぜる
・包丁で野菜を切る
子どもがうまくお手伝いに取り組めていないなと感じた時には「どうすればいいのだろう?」と、こちらも一緒に考えるようになります。
その結果、”子どもの専門家”を目指す上で、とても充実した日々を送ることができるようになりました。
ですが、子どもなので毎回お手伝いしてくれるとは限らないし、途中で遊び初めてしまうことも珍しくありません(笑)
ただ、お手伝いをしてもらっている時は、ちょっぴり背伸びして大人の真似をすることができるので、子どもはとても嬉しそうです。
次男の発語が劇的に増えた
1歳半の時は、「でんしゃ」「ちょうだい」など、10語くらい話していたように記憶しています。
肌感覚になってしまうのですが、テレビを消してからあっという間に発語が増え、意思の疎通がよりスムーズになりました。
長男は1歳10ヶ月で発語が始まったので、違いに驚きました。
ですが、これに関しては上にお兄ちゃんがいるので(モデルがいるので)、その影響は少なからずあると思います。
それにしてもやはり、コミュニケーションが増えたことで、理解できる語彙の種類が増え、発語に繋がったのではないかと考えています。
我が家の今後の課題
テレビを消したことで、電子音が恋しかったのでしょう。
通信教材で届いた、ペンでタッチすると音がなるおもちゃや電子ピアノに夢中になりました。
ちなみにこの本では、テレビのみならず音楽CDや知育おもちゃなどもやめるよう書かれています。
テレビをやめることはできても、音楽CDは児童館へ行ってもスーパーへ行っても絶えず流れているので、完全に無くすことは現実的に不可能です。
幸い、うちの子たちはテレビをやめただけで効果を実感したので、そこまでに留めることにしました。
徹底的にやろうとすると、こちらもストレスが溜まっちゃいますものね。
何事も加減が大事です。
それよりも、
私的には工作をしてほしい…!(笑)
日ごろからティッシュケースの空き箱やトイレットペーパーの芯などは集めているので、そちらにどう目を向けさせるかが我が家の今後の課題です。
おまけ:良い変化が大人にも
気付いたら何時間もテレビ・スマホを観てしまっていた、なんてことはありませんか?
そして観終わったあと、「あぁ~やらなければいけないことがあるのに、何も進まず一日が終わってしまった…」なんて後悔したこと、ありませんか?
そう、人って、やらなければいけないことを後回しにしがちなんですよね。
そして、やらなければいけないことを先延ばしにすると、そのせいでストレスがかかるって知ってましたか?
我が家も、「保険見直さなきゃな」「携帯安いところに乗り換えたいな」と思ってはいるものの、ついつい「テレビ観てからでいっか!」なんて先延ばしにしてしまっていました。
でも、この先延ばしにしてしまう状況をなくしたことで、「やらなければいけないこと」をさくさく進めることができるようになりました。
先延ばしにしないので、頭がスッキリ!!!
今までどれだけストレスフルな時間を過ごしていたのだろうと思い、後悔しました。
ただ、私も人間なので、0か100だとやっぱりきつい(笑)
人気作品や話題の作品はやっぱり観たい(笑)
そんな時は、ネットフリックスやAmazonプライムビデオに頼ります。
今の時代、人気作品はすぐに配信されますしね!
「この1本だけ観る」と決めてテレビ・スマホもほどほどに楽しんでいます。
(子ども達には絶対ばれないように細心の注意を払っていますが。笑)
やらなければならないことを後回しにしてしまっている方は、一度テレビ・スマホから離れてみてはいかかでしょうか。
まとめ
テレビを長時間見せることについては、小児科医からも注意喚起がされています。
ですが、その意味を正しく真剣に捉えている親御さんがどれだけいるのでしょうか。
あっちでもこっちでも、携帯を見せたりゲーム機を与えたりしている親御さんが多い気がします。
でも悲しいかな。こういう情報って、自分から手を伸ばさないとなかなか手に入れられないものなんですよね。
このブログを通して、良質な情報が多くの親御さんの元へ届くことを切に願っています。
最後に、この本でも紹介されているジャンジャック・ルソーの教育書<エミール>の言葉をみなさんに送って終わりにしたいと思います。
人間よ人間であれ。それがあなたがたの第一義務だ。(略)
出典:エミール
子どもを愛するがいい。子どもの遊びを、楽しみを、その好ましい本能を、好意をもって見まもるのだ。(略)
すぐに終わってしまうあの最初の時代を、なぜ、にがく苦しいことでいっぱいにしようとするのか。(上101~102)
人は子どもを、まだそのときが来ないのに、大人にしようとしているのだ。(上206)
最後までお読みいただきありがとうございました♪
以上、ふるりんでした☆
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