
「どうしてうちの子、何度言っても言うこと聞かないの?」
「つい怒ってしまって、あとで自己嫌悪…」
そんな毎日に、心がすり減っていませんか?
私も同じでした。
でも、アドラー心理学に出会ってから、「子どもの行動の見方」が少しずつ変わり、イライラも減って、親子の時間があたたかいものに変わっていったんです。
この記事では、アドラー心理学がなぜ子育てに向いているのか?
そして、我が家で実際に感じた3つの変化と、すぐに試せる声かけや考え方をお伝えします。
子どもともっと仲良くなりたいママへ。
今日から始められる“心が楽になる子育て”のヒント、受け取ってみませんか?
アドラー心理学とは?

アドラー心理学とは、ウィーン生まれの医師、アルフレッド・アドラーが提唱した心理学です。
過去よりも「これからどう生きるか」に注目する、前向きな考え方が特徴です。
第一次世界大戦を経て、アドラーはこう考えました。
「二度と戦争が起こらないためには、人間の心を育て直さなければならない」
その思いから、子どもの育ちや教育に目を向け、母親や教師へのカウンセリングにも力を注ぎました。
アドラー心理学が伝えているのは、「上から支配する子育て」ではなく、子どもと「よこの関係」で信頼し合うことの大切さ。
怒ったり褒めたりしてコントロールするのではなく、
子どもを一人の人として尊重し、勇気を持って生きられるようにサポートする。
そんな関わり方ができる子どもたちが育てば、社会ももっと優しく、平和になる
アドラーはそう考えていました。
子育てに向いている3つの理由

①「叱らない・褒めない」で育つ“自己教育力”
子どもは、生まれながらに「自分の力で育とうとする力(=自己教育力)」を持っています。
だから、アドラー心理学では叱らない・褒めないという関わり方を重視します。
なぜなら、叱る・褒めるには次のようなリスクがあるからです。
- 叱られたり褒められないと、やる気が出ない
- 失敗を恐れてチャレンジできなくなる
- 自信をなくしてしまう
- 指示がないと動けない「指示待ち人間」になる
また、「ご褒美」や「罰」も同じ。
これらは「外からの刺激(外発的動機づけ)」なので、言ってくれる人がいなければ子どもはやらなくなってしまいます。

だからこそ、
「自分で考え、自分で選び、動ける子に育ってほしい」
そんな願いを持つご家庭に、アドラー心理学はぴったりなんです。
②「行動の目的」に注目してイライラ減少
子どもが困った行動をしたとき、ついこんなふうに思っていませんか?

「私の育て方が悪かったのかも…」
「もっと愛情をかけてあげればよかったのかも…」
でも、アドラー心理学では「すべての行動には目的がある」と考えます。
子どもは困らせたくて困らせているのではなく、
「見てほしい」「かまってほしい」というサインとして行動しているのです。
たとえば:
- わざとイタズラをする
- グズグズして動かない
- 兄弟を叩いてしまう
これらは「注目されたい」「関わってほしい」という気持ちの現れです。
この気持ちに気づかず叱ってしまうと、
子どもは「困ったことをすると見てもらえるんだ」と学習してしまいます。
「この子、今どんな気持ちなんだろう?」と想像するだけで、
イライラが共感に変わり、親子関係がグッとあたたかくなるはずです。
③「勇気づけ」で親子の関係があたたかく
アドラー心理学では、「勇気づけ」がとても大切です。
勇気づけとは、できているところや努力している姿に注目し、その子の“内側”から力を引き出す関わり方のことです。
叱ったり褒めたりではなく、
「あなたは価値があるよ」「ちゃんと見てるよ」と伝える声かけです。

この関わり方ができるようになると、
子どもは安心してチャレンジできるようになり、親もイライラがぐんと減ります。
勇気づけが習慣化すると、子どもはこう育つ
そして、“勇気づけ”が日常に根づくと、子どもはこんなふうに育っていきます。
- 「ここを乗り越えれば、もっと成長できる!」と、人生のリスクや困難にチャレンジできるようになる
- 「困難は克服できるものだ」と、前向きに捉えられるようになる
- 目標に向かって、自分だけでなく仲間と協力したり、誰かの役に立つ喜びを感じられるようになる
こうした「生きる力」は、一朝一夕では育ちません。
でも、日々の小さな声かけやまなざしの積み重ねが、確実に子どもの土台を育てていくのです。
具体的な声かけ例(共感・感謝・プロセスに注目)
勇気づけの声かけには、以下のような言葉が効果的です:
- 「〇〇くんの今回の結果、ママも本当にうれしい!」
→【一緒に喜ぶ】ことで、子どもと心がつながります - 「〇〇くんが手伝ってくれて助かったよ!」
→【感謝】を伝えると、自分の行動に意味を感じられます - 「この部分、ずっと頑張ってきたところだもんね」
→【プロセス】を認めることで、結果だけにとらわれなくなります - 「〇〇くんがいてくれて幸せだなぁ。ありがとう」
→【存在そのもの】に感謝されることで、子どもは「愛されている」と実感できます
これらは、言葉だけでなく、態度・表情・声のトーンもとても大切。
「伝えよう」と思う気持ちがあってこそ、子どもの心にまっすぐ届きます。
我が家で起きた3つの変化(実例)

アドラー心理学を取り入れてみたら、
「子どもの行動」が変わっただけでなく、私自身の“声のかけ方”や“見方”が変わりました。
その結果、親子の関係も少しずつあたたかくなっていったのです。
ここでは、私の実体験を3つご紹介します。
①片付けの声かけを変えたら…
わが家の子どもたちは、片付けがちょっと苦手。
ついつい私も

「ちゃんと片付けて!」「なんでできないの?」
とガミガミ言ってしまい、
お互いストレスを感じる日々でした。
そこで、試しにアドラー心理学で学んだ“勇気づけ”をやってみることに。
子どもが片付けたおもちゃを指さして、

「おもちゃ、片付けられたね」
と声をかけてみました。
すると、「うん!」ととっても嬉しそうな笑顔。
そしてまた別のおもちゃを持ってきて、

「これも片付けたよ〜!」
と自分から行動する姿を見ることができました!!

「怒らなくても、ちゃんと伝わるんだ」と思えた出来事でした。
②挑戦でつまずいたときのフォロー
ある日、長男が「くもんのくみくみスロープ」で黙々と遊んでいました。
でも、どうしても一か所だけパーツがうまくはまらず、イライラ…。

「これ、はめたいんだけど!!!」
と感情が爆発しそうに。
そこで私は、すかさずこう声をかけました。

「ここまでひとりで組み立てたの、すごいね!」
「前はひとりじゃできなかったのに、成長したね!」
すると、表情が落ち着いて、

「ママ、手伝って」
と素直に言ってくれました。
一緒に組み立てを完成させた後は、笑顔でビー玉を転がして遊べたんです。

子どもがイライラしているときこそ、できていることに注目する大切さを学びました。
③自分で動けるようになるまで待ってみた話
長男は、幼稚園から帰ってきても水筒を玄関に置きっぱなしにしがち。
私は毎日「水筒は?」と声をかけていましたが、ある日こんな反応が返ってきました。

「うん!わかってるけど!!!」(と、イライラ)
私の中で「このままじゃ“うるさいお母さん”になっちゃう⋯」という危機感が。
そこで思い切って「子どもを信じて待つ」ことにしました。
注意するのをやめ、小さなできたことだけに注目。
数日後、ふとキッチンを見ると、
キッチン台の上に水筒が置いてあったのです!
すかさず

「水筒ありがとう!持ってきてくれたんだね!」
と声をかけると、得意げな表情の長男。
弟も、長男の姿を見て自然と行動する回数が増えました。

「待つ」ことの勇気、そして“信じる”という関わり方の力を、私はこの出来事から教わりました。
それでもイライラしてしまう時のヒント

「課題の分離」という考え方
たとえば、子どもが宿題をやらないとき。
「やりなさい!」と叱りたくなるけれど、
それは“子どもの課題”であって、“親の課題”ではないというのがアドラー心理学の視点です。
子どもが宿題をやらないことで困るのは子ども自身。
だから、それを「やらせる」のではなく、「選ばせる」姿勢が大切です。
アドラーはこう言います。
「あらゆる人間関係のトラブルは、他者の課題に土足で踏み込むことで起きる」
「この行動の結果を引き受けるのは誰か?」を考えると、
誰の課題かが見えてきます。
つい口を出してしまいそうな時は「まぁ、いっか」
私もまだまだ修行中の身。
ついイラっとしたとき、思わず言いそうになることがあります。
そんなときの魔法の言葉は、

「まぁ、いっか」
です。
私たち親も、完璧じゃなくていい。
余裕がない日もあるし、気持ちが疲れてる日もある。
そんな自分にも「勇気づけ」を忘れずに。
できることから、少しずつで大丈夫です。
まとめ

アドラー心理学は、「子どもをどう変えるか」ではなく、「親の見方をどう変えるか」を教えてくれます。
- 叱らない・褒めない
- 行動の目的を見る
- 勇気づけを意識する
- 信じて待つ
- 課題を分ける
どれも、今日から始められる小さなことばかり。
でもその積み重ねが、親子の関係をじんわり変えてくれるんです。
「怒らない子育てをしたい」
「もっと子どもと信頼し合える関係を築きたい」
そう思っているあなたに、アドラー心理学の考え方が届いたらうれしいです。
子育ての正解は一つじゃない。
でも「子どもと一緒に育ち合う道」は、きっとここにあります。
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📕 子どもの心をそっと育ててくれる絵本
寝る前や一緒に過ごすひとときに、絵本が“心のかけ橋”になってくれました。
→※絵本ナビでおすすめの絵本を探せるようリンクを貼る予定です。
🧸 「怒らない」を助けてくれた、仕組みとアイテム
ついイライラしてしまうときも、“環境を整える”ことでラクになることがありました。
わが家で役立ったものをこれから少しずつ紹介していきます。
以上、ふるちゃんでした。
今日も一日おつかれさまでした!💮
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